LIFE & STYLE / BATHROOM THERMAL

中野市の冬、浴室が寒いのは
「気のせい」ではありません

株式会社蒼技研 編集部

住まいの寒さに向き合う

冬、服を脱いで、浴室のドアを開ける。

ひやっと冷たい空気が、足元から上がってくる。慌てて熱いシャワーを出して、湯気で浴室を暖める。湯船に浸かるまでが、いつも一番つらい。

北信で暮らしていれば、たぶん誰もが知っている冬の光景です。「昔からこんなもの」「我慢するしかない」と思っているかもしれません。

でも——その寒さは、あなたの我慢が足りないからではありません。家の造りが、そうさせているのです。そして、その寒さは、思っているより危険かもしれません。

結論を先に

古いタイル張りの浴室(在来浴室)は、構造的に「冷えるようにできています」。

がんばって暖めても、暖めたそばから熱が逃げていく。これは根性でも工夫でも、完全には解決しません。造りの問題だからです。

なぜ、そんなに冷えるのか

昔ながらのタイル張りの浴室には、冷える理由がいくつも重なっています。

  1. タイルとモルタルが、冷たさをためこむ

    タイルもその下のモルタルも、熱をよく伝える素材です。冬の間、外気で冷やされ続けたタイルは、冷たさをしっかりため込みます。足の裏がひやっとするのは、このためです。暖房で空気を暖めても、タイル自体が冷たいままなので、寒さが消えません。

  2. 窓から、熱が逃げていく

    古い浴室の窓は、一枚ガラス(単板ガラス)のことがほとんどです。ガラス一枚では外の寒さがそのまま伝わり、暖めた空気の熱はどんどん外へ逃げます。北信の冬なら、窓のそばはひときわ冷える。

  3. 壁の中に、断熱材が入っていない

    古い在来浴室は、壁や床下に断熱材が入っていないことが多いものです。外の冷気が、壁一枚を隔ててすぐそこにある。暖房を切れば、すぐ元の寒さに戻ります。

  4. 天井が高く、空気が暖まりにくい

    勾配天井や高い天井の浴室では、暖かい空気が上へ逃げ、体のある低い位置はなかなか暖まりません。

これらが全部重なって、「暖房を入れても寒い浴室」ができあがります。あなたのせいではありません。

医療と健康の観点から

寒い浴室は、
ただ不快なだけではない

ここは、少し真剣な話です。

暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室に移り、熱い湯に浸かる。この急激な温度変化で血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることを、ヒートショックといいます。

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は高い水準で推移しており、近年では交通事故による死亡者数よりも多くなっています。事故は家庭の浴槽で、11月から4月の冬季を中心に多く発生しています。
(出典:消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」)

そして、住まいの寒さと、この危険には関係があります。消費者庁は、こう指摘しています。

居間や脱衣所が18度未満の住宅では、湯温42度以上の"熱め入浴"が増えるという研究結果があること。 shadow対策として、部屋間の温度差をなくすために家全体を暖かくすることが重要で、二重サッシにするなどの断熱化も有効であること。

(出典:消費者庁 同注意喚起)

つまり、寒い浴室は「入り方」だけでなく**「造り」の問題でもある**と、国の機関が言っているわけです。もしご家族に高齢の方がいるなら、浴室の寒さは、快適さ以上の意味を持ちます。

今日からできること
(お金をかけずに)

まず、工事をしなくてもできる対策から。消費者庁が挙げているものです。

  • 入浴前に、浴室と脱衣所を暖める

    浴室暖房がなくても、湯を張るときにシャワーで高い位置から給湯すると、蒸気で浴室が暖まります。浴槽のフタを開けておくのも有効です。

  • 湯温は41度以下、浸かる時間は10分までを目安に

    熱い湯ほど温度差が大きくなります。

  • かけ湯を入念に

    手足の先から湯をかけ、体を慣らしてから浸かる。

  • 脱衣所に小さな暖房器具を置く

    居室と脱衣所の温度差を減らすだけでも違います。

  • 入浴前に、家族に一声かける

    万が一のとき、早く気づいてもらえます。

これだけでも、リスクはかなり減らせます。まずはここから。

それでも解決しない、
根本の理由

ただ、正直に申し上げます。上の対策は「寒さをしのぐ」方法であって、「寒くなくする」方法ではありません。タイルの冷たさも、窓から逃げる熱も、壁の中の冷気も、造りが変わらない限り残ります。毎年冬が来るたびに、同じつらさを繰り返すことになります。

根本から変えるなら、造りに手を入れることになります。たとえば——

  • 窓を内窓や断熱サッシにする(比較的取り組みやすい対策です)
  • 在来浴室を、断熱性の高いユニットバスに替える(断熱パネルで囲まれます)
  • 浴室暖房乾燥機をつける

どれが合うかは、家の状態や予算によります。窓だけで足りることもあれば、浴室ごと替えたほうが結局は快適で経済的なこともあります。そこは、実際に見てみないと言えません。

(具体的な費用は、家の状態によって大きく変わります。この記事では金額には触れません。相場が知りたい場合は、複数の会社に見てもらうことをおすすめします)

なぜ、私たちがこれを書くのか

「寒いなら風呂を替えましょう」と、すぐ工事の話にしたいわけではありません。まず、お金をかけずにできることから試してほしい。それで足りるなら、それが一番いい。冬のたびにつらい思いをして、それが当たり前だと思い込んでいる方に、「それは造りのせいで、変えられるものですよ」と知ってほしいだけです。

私たちは中野市で、こうした古い在来浴室を数多く見てきました。同じ「寒い浴室」でも、窓が原因のこともあれば、壁の断熱が原因のこともある。原因が違えば、打つ手も変わります。

あなたの家の場合

もし、いま気になっていることがあるなら。

  • 暖房を入れても、浴室の寒さがどうしても消えない
  • 高齢の家族がいて、冬の入浴が心配
  • 窓を替えるだけで済むのか、浴室ごと替えるべきなのか知りたい

一度、見せていただければ、寒さの原因がどこにあるかをお伝えします。その結果、「今の対策で十分ですよ」で終わることもあります。工事ありきではありません。まず、原因を知るところから。

蒼技研は長野県中野市の会社です。北信の冬と、古い家の造りを知っています。寒い浴室、我慢する前に一度ご相談ください。

参考にした資料

  • 消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! ―自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています―」
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042
  • 厚生労働省「人口動態調査」
  • 消費者庁 コラム「高齢者の事故 ―冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意―」

※本記事の統計・情報は2026年7月時点で公表されているものです。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。
※この記事では入浴中の事故という、命に関わる話題に触れています。ご家族の健康について具体的な心配がある場合は、かかりつけの医師にもご相談ください。

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