ANALYSIS / BATHROOM METHOD

在来浴室とユニットバス、
何がどう違うのか。中野市の家で考える

株式会社蒼技研 編集部

お風呂リフォームの選び方

浴室のリフォームを調べ始めると、必ずこの2つの言葉に出会います。「在来浴室」と「ユニットバス」。

なんとなく、ユニットバスのほうが新しくて良さそう、という印象があるかもしれません。実際、今の住宅ではユニットバスが主流です。でも、「なぜそうなのか」「自分の家にはどちらが合うのか」までは、意外とわからないまま話が進んでしまいます。

ここでは、どちらかに誘導せず、両者が本当は何が違うのかを整理します。その上で、北信の古い家で考えるべき点を添えます。

結論を先に

ほとんどの場合、古い在来浴室からのリフォームではユニットバスが選ばれます。

暖かく、水漏れに強く、掃除が楽で、工期も短いからです。ただし、在来浴室にしかできないこともあります。変わった形の浴室、こだわりの素材、大きな窓。ここに価値を感じるなら、在来には在来の意味があります。「新しい=ユニットバスが正解」ではありません。あなたの家と、あなたの望みによります。

そもそも、
造り方が根本から違う

在来浴室(在来工法)

現場で一から造る浴室です。コンクリートやモルタルで下地を作り、防水を施し、タイルを張って仕上げる。家を建てるのと同じように、その場で組み立てていく方法です。昔ながらのタイル張りのお風呂は、これです。

ユニットバス(システムバス)

工場であらかじめ作った壁・床・天井・浴槽のパーツを、現場で組み立てる浴室です。家という箱の中に、防水された浴室の箱をはめ込むイメージ。継ぎ目が少なく、一体化しています。

この「現場で造る」か「箱をはめ込む」かの違いが、これから挙げるすべての差につながっています。

5つの観点で比べる

  1. ① 暖かさ(断熱性)

    ユニットバスが有利です。壁・床・天井が断熱材を組み込んだパネルで一体化しているため、熱が逃げにくく、浴室が冷えにくい。ヒートショックのリスクを減らす意味でも、ここは大きい要素です。在来浴室は、造り方次第です。丁寧に断熱すれば暖かくできますが、古い在来浴室の多くは断熱されておらず、冬に冷えます。

  2. ② 水漏れへの強さ(防水性)

    ユニットバスが有利です。一体構造で継ぎ目が少ないため、水漏れが起きにくいのが特徴です。在来浴室は、防水層が経年で劣化すると、水漏れのリスクが出てきます。タイルの目地やひび割れから水が入り、下地を傷めることもあります。

  3. ③ 掃除のしやすさ

    ユニットバスが有利です。タイルの目地が少なく、汚れやカビがつきにくい構造になっています。在来浴室は、タイルの目地が多く、黒カビに悩まされやすい傾向があり、掃除に手間がかかります。

  4. ④ 工期

    ユニットバスが有利です。既製のパーツを組み立てるので、在来浴室からの交換でもおおむね数日から1週間程度で入浴できるようになることが多いとされています。在来浴室で一から造る場合は、複数の職人が関わり、防水の乾燥期間も必要になるため、2週間以上かかることもあります。(※工期は現場の状況、配管や下地の傷み具合によって変わります)

  5. ⑤ 自由度(デザイン・サイズ)

    ここだけは、在来浴室が有利です。ユニットバスは規格サイズが決まっているため、変わった形の浴室や、極端に狭い・広い空間には合わないことがあります。壁の内側に箱を作る分、浴室がわずかに狭くなることもあります。在来浴室は、家の形に合わせて自由に造れます。ヒノキの浴槽、大理石の壁、大きな窓、変形の空間。「こういうお風呂にしたい」という強い希望があるなら、在来にしかできません。

表で整理すると

両者の特徴をシンプルにまとめると、以下のようになります。

特徴 ユニットバス 在来浴室
暖かさ ◎ 冷えにくい △ 造り次第
水漏れ ◎ 強い △ 経年で弱る
掃除 ◎ 楽 △ 目地のカビ
工期 ◎ 短い △ 長い
自由度 △ 規格内 ◎ 何でもできる

こうして見ると、機能面ではユニットバスが優勢です。だから主流になっています。在来が輝くのは「自由度」の一点。逆に言えば、そこに強いこだわりがなければ、ユニットバスで困ることは少ないでしょう。

中野市・北信の古い家で、
特に考えたいこと

一般論はここまで。ここからは、この地域の家ならではの視点です。古い在来浴室は、たいてい「変則的な寸法」をしています。

昔の家は、規格化される前に建てられています。浴室の寸法も、柱や梁の位置も、一軒ごとにばらばら。だから、「ユニットバスにしたくても、既製のサイズがそのまま入らない」ことがあります。このとき、選択肢は分かれます。

  • サイズ展開の細かい機種を選んで、うまく納める
  • 入るように、下地や壁の位置を調整する(大工の仕事です)
  • そもそも在来のまま、断熱を強化して造り直す

どれが最適かは、浴室を開けて、柱や土台の状態を見てからでないと言えません。カタログを見ても、あなたの家の答えは出てこないのです。

そして、寒冷地ならではの点がもう一つ。窓の処理です。古い在来浴室には大きな窓があることが多く、そこが冬の熱の逃げ道になります。ユニットバスにするとき、この窓を残すのか、小さくするのか、断熱サッシに替えるのか。ここは、北信の家では特に大事な判断になります。

なぜ、この記事で
「ユニットバス一択」と言わないのか

正直に言えば、「古い在来浴室は全部ユニットバスにしましょう」と言い切るほうが、記事としては簡単です。実際、多くの現場でユニットバスが選ばれるのも事実です。でも、それは乱暴だと思っています。

家には、それぞれ事情があります。変わった形の浴室、活かしたい窓、残したい梁。既製の箱を入れて終わり、ではもったいない家もあります。そこを見極めるのが、現場を数多く見てきた人間の仕事だと考えています。

私たちは木工事を本業にしているので、「箱が入らないなら、入るように納める」ことも、「在来のまま暖かく造り直す」こともできます。だからこそ、最初から選択肢を1つに絞りたくない。あなたの家にとって何が一番いいかは、見てから決めたいのです。

あなたの家の場合

今のお風呂に不満があり、これからどうすべきか迷っているなら。

  • 古いタイルのお風呂を、そろそろ何とかしたい
  • ユニットバスにしたいが、変な形の浴室なので入るか不安
  • こだわりがあって、在来のまま造り直せないか考えている

一度、浴室を見せていただければ、どんな選択肢があるかをお伝えします。ユニットバスが合う家なら、そうお伝えします。在来のほうがいい理由があれば、それも正直にお話しします。工事ありき、機種ありきではありません。

蒼技研は長野県中野市の会社です。古い家の変則的な浴室も、木工事から手を入れられます。まずは、今のお風呂を見せてください。

参考にした資料

  • 各設備メーカー・専門機関による在来浴室/ユニットバスの一般的な構造・特徴の解説
  • 消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(浴室の断熱とヒートショックの関係について)

※工期・費用・適合するサイズは、住宅の状態によって大きく異なります。本記事では一般的な傾向のみを扱い、具体的な金額には触れていません。
※本記事の統計・情報は2026年7月時点で公表されているものです。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です