「大雪で歪んでいる」と言われたら|中野市の点検商法
注意喚起
雪が解けたあ後の、よく晴れた日。
インターホンが鳴って、見たことのない業者が立っています。
「近所で工事をしていまして。お宅の屋根、下から見たら少し歪んでいるように見えたんです。この冬の雪でしょうね。よかったら無料で点検しますよ」
親親切な人だと思うかもしれません。実際、親切な人であることもあります。ただ、この一言から始まるトラブルが、いま全国で急増しています。
結論を先に言います
その場で契約しないでください。それだけです。
点検を断る必要すらありません。断りにくければ、点検してもらってもいい。ただ、契約書に名前を書くのは、別の日にする。これだけで、これから書くトラブルのほとんどは起きません。
「訪問販売」より、
いま増えているのは「点検商法」
国民生活センターに寄せられた相談件数を見ると、意外なことがわかります。
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|
| 相談件数 | 10,099件 | 11,878件 | 9,820件 |
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|
| 相談件数 | 8,166件 | 12,550件 | 19,215件 |
(出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」2025年8月1日更新。PIO-NETに登録された相談件数。消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)
訪問販売そのものの相談は、横ばいから減少に転じています。一方で、点検商法は2年で2.3倍。つまり、手口が変わりました。「工事をしませんか」と売り込む形から、「点検してあげます」と入ってくる形へ。売り込みではないので、断りにくい。ここが狙われています。
そして、雪国は
とくに狙われます
国民生活センターは、この手口をこう呼んでいます。
「大雪で歪んだ」などと自宅の不具合を指摘して不安をあおる「点検商法」
(出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第308号)
雪です。中野市に住んでいれば、冬に雪が積もることも、屋根に負担がかかることも、当たり前に知っています。だから「大雪で歪んだ」と言われると、否定できない。
しかも実際、雪で傷む家はあります。落雪で樋が曲がる、凍害でモルタルが割れる、雪の重みで建具が動かなくなる。嘘ではないから、見抜けない。北信に住んでいるということは、この手口に最も反論しづらい立場にいる、ということでもあります。
実際に起きたこと
国民生活センターが公表している相談事例です。
近くで屋根工事をしているという業者が訪ねてきて、瓦が傷んでいるように見えるので点検したいと言う。点検のあと、業者が撮影した瓦の映像を見せられ、このままでは雨漏りするかもしれない、すぐに工事をしたほうがいいと告げられた。迷っていると、たまま今日この地域に来ているので今でないと契約できないとせかされ、約40万円の契約をしてしまった。不安になってやめたいと連絡すると、もうキャンセルはできないと怒鳴られた。(70歳代 女性)
(出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第308号)
別の事例では、突然訪ねてきた業者に屋根がずれていると言われ、無料点検のあと瓦がずれている画像を見せられて屋根工事を契約したものの、後日、同業他社から高額だと指摘された、というものもあります。そして屋根工事の点検商法については、契約した人の8割超が60歳以上とされています。
(出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増加しています」2023年10月11日公表)
この手口の、
3つの共通点
事例を並べると、型が見えてきます。
-
自分では確認できない場所を指摘する
屋根、床下、屋根裏。梯子をかけないと見えない場所ばかりです。キッチンや浴室の点検商法は、ほとんどありません。自分の目で確認できてしまうからです。
-
写真や映像を見せる
「証拠」を見せられると、人は信じます。ただ、その写真が本当にあなたの家の屋根なのか、確かめる方法はありません。他所の家の写真かもしれない。撮影のあとで、業者自身が傷つけた可能性すらあります。
-
「今日だけ」と言う
たまま近所に来ている。今なら足場代がいらない。今日中なら特別価格。まともな工事会社は、今日でないと困る理由がありません。屋根が本当に危険な状態なら、なおのこと、きちんと調べて見積もりを出す時間が要ります。急がせる理由があるのは、業者の側だけです。
その場で、
どうすればいいか
「息子(娘)に相談してから決めます」
これで終わりです。理由の説明も、断りの言葉も要りません。契約を急がせる業者は、その場で決めさせることに全部を賭けています。一晩置かれると成立しない話だから、急がせている。だから、一晩置くだけでいい。
そして、屋根が本当に心配なら、別の会社にもう一度見てもらってください。地元の工務店でも、知り合いの大工でも、どこでもかまいません。二つ目の目が入るだけで、話は変わります。
今後のための安心知識
突然訪ねてくる業者に限らず、自分からリフォーム会社へ連絡をするときも同様です。「最初の電話」の段階で、施工体制や明確な見積もりを出してくれる会社かどうか、5つの質問で見抜く心得が大切になります。
もう契約してしまった場合
クーリング・オフができます。訪問販売の場合、法律で定められた契約書面を受け取ってから8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できます。工事が始まっていても、原則として無条件です。
「もうキャンセルできない」と業者に言われても、それは業者の言い分にすぎません。期間を過ぎている場合でも、勧誘の仕方に問題があれば取り消せることがあります。一人で判断せず、相談してください。
(クーリング・オフの適用条件は契約の形態によって異なります。詳細は消費者庁の特定商取引法ガイド、またはお住まいの消費生活センターでご確認ください)
私たちが、
この記事を書いた理由
こういう記事を、リフォーム会社が書くのは、少し妙に見えるかもしれません。でも、点検商法に遭った方が次に思うのは、たいてい「もうリフォーム業者は信用できない」です。
その結果、本当に直したほうがいい屋根が、そのままになる。雪の重みは、待ってくれません。必要な工事と、不要な工事を区別できる状態でいてほしい。それだけです。
正しい見積もりの見方
点検後に提出される見積書で「木工事一式」「補修工事一式」など、具体的な項目を伏せた“一式表記”が多い会社にも注意が必要です。不要な上乗せがないか、内訳をきちんと説明してもらうことが防犯に繋がります。
あなたの家の場合
もし、いま気になっていることがあるなら。
- 業者に指摘された箇所が、本当に工事が必要なのか判断がつかない
- 見積書をもらったが、金額が妥当なのかわからない
- 何年か前の大雪のあと、そのままにしている場所がある
見るだけなら、いつでも伺います。工事の契約を急かすことはしません。見た結果「まだ大丈夫です」で終わることも、当然あります。
蒼技研は中野市に事務所を構える、木工事を本業とする会社です。屋根も, 床下も、自分たちの目で見て判断します。心配な箇所があれば、写真を撮って送っていただくだけでもかまいません。
地域に根差す「かかりつけの施工会社」として、誠実に対応いたします。
→ 株式会社蒼技研の会社紹介・私たちのこだわりは、サイト上部の「私たちについて」からもご覧いただけます。


